分離

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ミシミシブチブチミリミリ… 身悶えするような気持ちの悪い音が指先から体を伝わって頭に響く。 しかも麻酔の効き目が鈍い部分があるらしく、時折鋭い痛みも走る。 しばらくグリグリしていたが、機能していないとはいえ組織同志がくっついていてなかなか離れない。 はーん……。 女医は気怠そうにため息をつくと、ペンチを置き、おもむろに弟の指先を握った。 ギュッと力が込められたと感じた瞬間、女医がぐりん、と指先をひねった。 おぉうっと思わず声が漏れる。
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