湖畔

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次の組もまたその次の組も素晴らしいリアクションを見せてくれた。 あまりの恐怖に耐え切れなくなり、こちらに掴みかからんばかりにブチ切れる者もいる程。 その反応を見る度、私の心は踊った。 『肝試しの脅かし役』という大義名分を得た今、この歪んだ歓びを咎められる心配は無いのだ。 そして最後の組の番。 ネギ畑に隠れた私の心は、最初に脅かし役をやる事に感じていた嫌悪などもはや微塵も感じていなかった。 それよりも酔っているにも関わらず、心は爽やかに満ちていて、何ヵ所も蚊に刺されていたがそれすらも全く気にならなかった。
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