1928人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
たっぷり動きまわって汗だくの体。
喉も渇いている。
そこでガリガリ君を、しかも人のおごりで喰う。
袋から出したばかりの涼しげなブルーにそっと舌を這わせた時の、ペタっとくっつくあの冷気持ち良い感じ、立てた歯にキーンと突き抜ける爽快感と、延髄に走る電撃……至高のひと時に違いない。
私は必死になってボールを追った。
私と宅間は互いに、「翼君!」「岬君!」と声を掛け合い、さながら南葛ゴールデンコンビである。
しかし……。
結局、奮闘虚しく結果は3-0で私と宅間の敗北、軍配は樋山&池柳ペアに上がった。
そのうちの1点は、ゴール前でクリアしようと私が蹴ったボールがなぜか宅間の後頭部を直撃し、跳ね返って自軍のゴールネットに突き刺さったオウンゴールである。
くそっ……。
肩を落として歩く私の横を樋山が走り抜ける。
向かう先は近所の駄菓子屋。
ガーリガーリ君、ガーリガーリ君、ガーリガーリ君、ガーリガーリ君!
最初のコメントを投稿しよう!