筋子

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たっぷり動きまわって汗だくの体。 喉も渇いている。 そこでガリガリ君を、しかも人のおごりで喰う。 袋から出したばかりの涼しげなブルーにそっと舌を這わせた時の、ペタっとくっつくあの冷気持ち良い感じ、立てた歯にキーンと突き抜ける爽快感と、延髄に走る電撃……至高のひと時に違いない。 私は必死になってボールを追った。 私と宅間は互いに、「翼君!」「岬君!」と声を掛け合い、さながら南葛ゴールデンコンビである。 しかし……。 結局、奮闘虚しく結果は3-0で私と宅間の敗北、軍配は樋山&池柳ペアに上がった。 そのうちの1点は、ゴール前でクリアしようと私が蹴ったボールがなぜか宅間の後頭部を直撃し、跳ね返って自軍のゴールネットに突き刺さったオウンゴールである。 くそっ……。 肩を落として歩く私の横を樋山が走り抜ける。 向かう先は近所の駄菓子屋。 ガーリガーリ君、ガーリガーリ君、ガーリガーリ君、ガーリガーリ君!
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