耳に残るは君の声

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樹々の隙間から零れる 木漏れ日の暖かさに 春の訪れを感じ目醒めた頃… 凍える季節に寄り添いながら いつの日も一緒に桜咲く季節を夢見ていた…   この腕に抱いた温もりは 冷たい風に浚われ… 唯一つ 僕の耳に残るは君の声… 桜はまだ 蕾硬く 色づく頃を夢見ながら 眠っているよう… 三月の夜の夢はうつつ 春まだ浅く凍えてしまいそう…   凍てつく星屑が降る夜 月明かりのない夜の静けさは幻聴を誘う   君の優しい歌声に 安らぎを覚えていた冬の夜… あの暖かな謳でさえ 君のいない春の夜に 感情の奥へと聞こえて来るのは 君の声と悲しい謳…   桜は今 蕾緋く 花咲く頃を待ち望みながら 目醒め始める… 三月の夜の夢はうつつ 春まだ浅く凍えてしまいそう…   凍える風が吹きすさぶ夜 月明かりが静かに満ちる光りの先に 幻覚を見る…   君の優しい姿に 安らぎを覚えていた冬の夜… あの暖かな微笑みを 君のいない春の夜 月灯りが映し出すのは 愁い漂う君の横顔…   今はもう 過ぎ去りし冬は遠く この腕に抱いた温もりは 冷たい風に浚われ… 唯一つ 僕の耳に残るは君の声…
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