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事務所に着くと、社長に話した。
言い寄られて一度は受けかけたこと。
好きな人がいるから断ったこと。
病院に言ったら、茜が傷を開かれて運ばれたこと。
全部を話した。
「久御山、お前はどうしたい?」
「取り敢えず…そいつ見つけないと。気をつけるにも俺、顔覚えられないし」
「そうか…左海には止められていたんだがな…久御山。知っているか?」
「何がですか?」
「実は左海…会社復帰が難しいらしい。身体が…ボロボロなんだそうだ。で、我社としては左海を事務にしようと思っている。お前も…事務に回らないか」
いきなりだった。
「え?会社復帰が難しいらしいって…」
「身体の靭帯が何箇所かいかれたらしい」
「…………」
考え込む。事務に回ればいつも茜と一緒だ。
「事務に回ります」
「いいのか?」
「たまには別もしますよ?」
「あぁ」
茜…お前に会いたい。
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