12人が本棚に入れています
本棚に追加
「早く出てけ!!人間の臭いなんか嗅ぎたくない!」
ジタバタと絡まる鎖を解こうとして暴れるが、余計絡まっていくばかりだった。
改めて、その子供の足首や、腕を見た。
細い。
普通の子供ならここまで痩せることはない。
しかし人狼の生命力は高く、簡単に死ぬことはない。
ここで飢え死にようとも、長年飢えに耐えながら死んでいくのだろう。
くるっ、
タタタタ
------------------
やっとあの人間は扉の向こうの世界に戻っていった。
人間なんか自分勝手で傲慢な生き物で、
自分と違う事には反発する。
ジャラジャラ
なんでこんな鎖…
本気を出せばこのくらい容易く壊せるのに…
なんで僕は壊せずにいるのか判らない…。
ギィ
「!?」
月明かりの下、
太陽みたいな明るさが見えた気がした…。
最初のコメントを投稿しよう!