満月の夜の出逢い

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「早く出てけ!!人間の臭いなんか嗅ぎたくない!」 ジタバタと絡まる鎖を解こうとして暴れるが、余計絡まっていくばかりだった。 改めて、その子供の足首や、腕を見た。 細い。 普通の子供ならここまで痩せることはない。 しかし人狼の生命力は高く、簡単に死ぬことはない。 ここで飢え死にようとも、長年飢えに耐えながら死んでいくのだろう。 くるっ、 タタタタ ------------------ やっとあの人間は扉の向こうの世界に戻っていった。 人間なんか自分勝手で傲慢な生き物で、 自分と違う事には反発する。 ジャラジャラ なんでこんな鎖… 本気を出せばこのくらい容易く壊せるのに… なんで僕は壊せずにいるのか判らない…。 ギィ 「!?」 月明かりの下、 太陽みたいな明るさが見えた気がした…。  
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