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「残った枷と鎖は俺の知り合いに頼めば簡単に外れるだろう。それまで我慢してね。」
ヒョイ、
「なぁっ!?」
脇腹に手を入れ、軽々しく持ち上げられた。
「寝るにしても、血の上で寝るのは嫌でしょ?」
男は僕の体を運び、壁に背を付ける感じで座らせた。
「近くの川からでも水を汲んでくるから待ってて、寝ててもいいからね。」
タッタッ
男は足早にドアの外に出ていった。
「外…」
ドアの外を見てみたかったけれど、足は動かなかった。
泣いて、少し疲れた…
男が戻るまで眠るコトにした。
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旅を一緒に行く約束をした。
あの子は多分人間達に慣れるのには少し時間がかかるかもしれないけど、
ついて来てくれるみたいでよかった。
多分、もしそのままほっといて旅に戻るとしたら
後悔が押し寄せてくると思った。
川につき、持っていた入れ物に今後の水も含めて汲み上げた。
あの子の服は返り血で白い服に赤い斑点がついていたし、顔や腕にも付着していた。
まずは体を拭いて、俺の…多分大きいだろうけどお古の服を着せてあげよう。
バイクから布団とお古の服を取り出し、建物に戻った。
そこには、
大人しく眠りについたあの子がいた。
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