たすけて…

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その頃… 階段を手探りで下りる尚子には… 明かりも… 音も… 何も無い… 暗く… 足場の悪い階段を… 助けを求めて… 必死で… 下りて行くしかなかった… 尚子(疲れた…身体がいう事をきかない…寒い…) がたがたと震える手足でなんとか2階に辿り着く… 尚子(吹き抜け?… 違う… 崩れ墜ちたんだ…) 途端に恐怖感が増した… 下を覗けるところ迄… 行けない… 今の位置から見えるところには… 誰もいない… 暗くてわからないが… 気配が無い… 声や…物音も… 全く無い… 尚子(あたしの…聞き間違いだったの…? あき君が… 正しかったの…?) あの時の明弘を思い出せれば… 答えは明白だった… 尚子にはそんな余裕は微塵も無い… 階段を上りかけた… 豆が潰れて… ヒールの中は自らの血液でぬるぬるだった… 滑る… 手摺りに捕まる… 転倒は免れる… が… 足元に、今後支障をきたすであろう、ダメージを負った… だが… 冷静さも取り戻す事が出来た… 尚子(崩落部分を迂回して、あっち側に回って見よう…) ほとんど… 這うようにして… 向かう… 時間にして… 5分… 10分… 普通に歩けば… 1~2分だろう… 今の尚子には… 出来ない… 着いた… そこには… 尚子にとって… 明弘にとっての… 希望が見える筈だった…
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