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可「行ってきまーす!」
可奈は大急ぎで玄関へと向かう。
カチャ。
可「渉くんッ!!ホンッとごめん;;」
ドアを開けると同時に可奈は謝った。
渉「おはよう。別にいいよ。色々、準備とかしてたんでしょ?」
そう答えながら口元を微笑ませるのは、黒髪がよく似合う美男子だった。
モデルのようなスタイルに、整った顔立ち。
話す口調は落ち着きがあり、洗練されたエリートだと分かる。
渉「初めてだから歩いて行こうか?車だと渋滞になるんだよ。」
可奈は、緊張しているのか俯きながらコクリと頷いた。
可「…分かった。」
そんな様子の可奈を気遣うように渉は可奈の鞄を持つ。
渉「すぐに慣れるよ。」
渉の優しさに滲んだその言葉に可奈は顔を上げた。
桃色に咲き乱れる桜の木。
風に花びらが舞い散る中で、渉と可奈は見つめあっていた。
可「//////」
渉「/////」
お互い照れたように紅くなると、渉は慌てて口を開いた。
渉「ほら…早く行こう?」
差し出された手を可奈は握ると、二人は歩き出した。
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