*第1章*

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可「行ってきまーす!」 可奈は大急ぎで玄関へと向かう。 カチャ。 可「渉くんッ!!ホンッとごめん;;」 ドアを開けると同時に可奈は謝った。 渉「おはよう。別にいいよ。色々、準備とかしてたんでしょ?」 そう答えながら口元を微笑ませるのは、黒髪がよく似合う美男子だった。 モデルのようなスタイルに、整った顔立ち。 話す口調は落ち着きがあり、洗練されたエリートだと分かる。 渉「初めてだから歩いて行こうか?車だと渋滞になるんだよ。」 可奈は、緊張しているのか俯きながらコクリと頷いた。 可「…分かった。」 そんな様子の可奈を気遣うように渉は可奈の鞄を持つ。 渉「すぐに慣れるよ。」 渉の優しさに滲んだその言葉に可奈は顔を上げた。 桃色に咲き乱れる桜の木。 風に花びらが舞い散る中で、渉と可奈は見つめあっていた。 可「//////」 渉「/////」 お互い照れたように紅くなると、渉は慌てて口を開いた。 渉「ほら…早く行こう?」 差し出された手を可奈は握ると、二人は歩き出した。
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