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伊集院亜理沙は恋をしていた。
同じクラスの男子に。
または隣の家にすんでいる少年に。
その人物は現在、隣にいる訳であり、関係は良好と思われる。
問題は実際の関係性だろう。
家が隣とだけのことはあり、生まれた時から殆ど一緒に育てられ幼なじみと言う関係。
更に同じ学校、同じクラス、席まで隣同士。
この位置はより良い仲に発展していく上で、これ以上にないくらい絶好なものだ。
しかし、所詮それだけだ。
行動しなければ意味はない。
そう、彼女は全く積極的に関われていない。
いくら隣の席と言えど、授業中に話し掛けるという行為は優等生としての亜理沙自身が許す訳がない。
休憩の時間や食事の時間でも、二人はそれぞれの友達の所に行って過ごしているので会話は無し。
学校での会話はほぼゼロ。したとしても、せいぜい挨拶ぐらいだろ。
帰りは部活、生徒会などによって一緒になることはない。
亜理沙にチャンスがあるのは帰った後と、学校の行きだ。
これだけあれば十分なようにも思えるが、はっきり言って亜理沙は奥手だ。
第一、そうでなければ友達など関係なしで積極的に彼に話し掛けるだろう。
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