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寺井がブルーパロットのドアを開けると、ドア側から数えて二つ目の右端のビリヤード台に学ランを着た快斗が立っていた。快斗はサンドイッチを頬張りながら台の上にある数枚の書類を見ていた。
「ジイちゃんお帰りぃー」
快斗はドアの方へ振り向き、口をもぐもぐさせながら軽く手を振った。
「ぼっちゃま、いらしてたんですか。サンドイッチ、台にこぼさないで下さいよ」
「分かってるって。それよりちゃんとポストに入れてきてくれた?」
「もちろんです。ちゃんと入れて参りました」
「サンキュー。よぅっし、あとは向こうさんが予告状を出してくれるのを待つだけだ」
「えぇ。しかもその事がマスコミに取り上げられるまではひたすら待つだけです」
寺井はそう言ってカウンターに向かった。
「ぼっちゃま、コーヒーどうです?新しい豆が手に入りました」
「本当に?ちょうだい。あ、ミルク2個ね」
「わかりました」
快斗は見ていた書類を整えてカウンターの席に座った。
「それは東都美術館の設計図ですね」
寺井は快斗を見ずに聞いた。
「うん。それと『大王の涙』が入る予定のケースの設計図」
快斗はニヤけながら答えた。
「ケースにも設計図があるんですか?ケースなんかタカが知れてると思いますが」
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