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『ピンポーン』
「はーい」
だれだろ、こんな朝から……
あれから少したっただろうか、龍騎はベッドから体を起こし呼び鈴に答える母の声を聞いていた。
「龍騎ー、ちょっとおりてきてー。刑事さんがお話聞きたいって。」
「ぇ?!」
俺……なんかしたっけ…
ゆっくり階段をおりて母のいる玄関まで歩み寄る。
刑事さんが二人も居る……
威圧間が凄い……
「俺に…なにか用ですか?」
さすがに今回ばかりは母親も心配そうに横に立った。
「いやね、君は昨日西海先生と音楽室の窓から話しをしていたそうじゃないか。」
中年かな、愛想が良さそうなおじさん刑事が喋った。
「えぇ…まぁ」
「その時はどんな話しを?」
まだ刑事になりたてみたいな若いお兄さんも喋りだした。質問攻めかよ………
「体育の授業で飛んでいったボールを探しといてくれるっていう話しですけど…」
お兄さん刑事が小さめの手帳にメモをしている。おじさん刑事はそれを覗きこんで頷いた。
「さて、そろそろ本題にはいろうか龍騎くん。」
「!?……はぁ…」
「君は西海先生と話したあと、一体何処に居たんだい?」
「え?普通に授業の続きを……」
「それにしも西海先生との話しは長かったみたいだね。」
「え?何を…」
なんだこいつら、一体どういう意味でそれ言ってんだよ……
「君と西海先生が話していた時間は17分だ。」
「な……俺を疑ってるんすか?」
「君だけじゃない。学校関係者全員疑ってるよ」
お兄さん刑事は笑顔で龍騎に話しかける。龍騎は顔をしかめて刑事二人を見た。
「さて、今日はありがとうございました。また何かあったらうかがうと思いますが ----」
目の前が真っ白になった。
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