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ピー!ピーピピピ!!
体育は皆大好きサッカー。そりゃできない奴も居るけどそういう奴も皆でフォローしてやれば楽しい体育の時間を過ごしていた。
しかし先生の笛の音がかなり耳障りだ……先生も張り切ってんのかな。
『あ………』
ボールが盛大に校舎の方向に飛んで行った。いや、けしてわざとじゃなくて…
『ゴメンゴメン!俺とって来るから違うボール使ってやってて!』
皆に謝を入れてあくまでゲームの続行を押しておいた。自分のせいで皆が暇するねは悪いからね。
『先生ー!ちょっとボールとってきますからー!』
そう先生に叫んで校舎の方へと走り出し、龍騎は自分が蹴り飛ばし過ぎてしまったボールを取りに行った。
『あっれ~…どこ行ったんだ?』
窓ガラスが割れた音がしなかったのが幸い。しかし飛ばしたボールを見つけられず龍騎は校舎周りをさ迷っていた。
『あー…無いなぁ……』
『あら、龍騎くんじゃないどうしたの?』
『あ、西海先生?…あ、体育でボールを飛ばしちゃって…はは』
窓を開けて龍騎に話しかけてきたのは音楽の西海先生である。今は音楽室で次の授業の用意をしていたようだ。ピアノの上にプリントがいくつか見えた。
『ごめんなさいね、ボールは見てないわ~…もしかしたら立ち入り禁止の中庭に入ったのかも……ボールは私が探しておくから体育の先生に言って続きしてきなさい』
西海先生は笑顔でそういうと教室の中に頭を戻し龍騎に手を振った。
『先生ありがとう!じゃ俺行きますからー』
俺も笑顔で返してその場を後にした。もちろん体育は最後まで楽しんだ。
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