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「…という訳なんだよ。」
所々無駄な内容があったから、省いて繋げてみると、つまり、
パパの親友、本城樹(ホンジョウ イツキ)通称いっくんは、パパと遊びにいった時に私のことを心底気に入ったらしく、ちょうど息子さんがいるし、パパとも親戚になれちゃうってことで2人で勝手に許婚に決めちゃったらしい。
それに、樹さんがパパの研究に投資してくれるってこともあって、ママも渋々賛成したってわけ。
「リリちゃんをお嫁さんにあげちゃうってのは躊躇ったんだけど、パパのお友達の息子さんだし、すごくいい子だったから今はママも気に入ってるのよ。それに、あの時パパの研究も全然目が出なかったから、生活が苦しくってリリちゃんを大学どころか高校に行かせてあげるなんて考えれないくらいだったのよ。こうして生活が送れるのも樹さんがパパに投資してくれたおかげよ。」
いつもより少し優しい声で話しながら、ママが私の頭を優しくなでた。
「そう‥だったんた…」
なんだかショックだった。
勝手に許嫁にされたからとかじゃなくて、パパもママも苦労したんだなって。
私は何も知らずに2人に甘えて生きてきた。まだまだ子供なんだ
でも、でも、だからって許嫁って…
だって、私、彼氏だって出来たことないのに、結婚って…
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