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遠い昔、地球がまだどろどろの元素だった頃から、この世界には神様が住んでいました。
暖かな太陽が好きな神様は、そのすぐ近くにある地球という星に降り立ち、海を創り地を耕し、雲の上に家を建てます。
その後ひとりぼっちが寂しくなった神様は、海の中に命を芽吹かせました。
暇を持て余していた神様は、すぐさま生き物たちの観察を始めることに。
生き物は僅かな時間の間に進化し、すぐに自分たちの文化を持つようになります。
最初のうちはただ本能のままに生き続けるだけだったけど、気づいたときには互いに意思疎通を図るまでになり、果ては娯楽を生み出す生き物まで現れるようになりました。
特にそれが顕著だったのが人間です。
いつしか神様は人間をからかうことに夢中になり、しまいには地球を管理する仕事をすることも面倒くさくなってしまいます。
そこで、今度は雲の上に召使いを創ることにしました。
アルカナスと名付けられた召使いたちは神様や生き物を陰から支え、広く世界に尽くしてくれました。
しかしある時、ひとりの悪戯好きな召使いの悪魔が、神様が大切にしていた宝物をこっそりと持ち出してしまいます。
どんな願い事も叶えてくれるその宝物に、悪魔はとんでもないお願い事をしてしまいました……
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