37000人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
「いや、姫はカイル殿が逃げるのを承知で自分が教えようとしてるのじゃ」
「……え?」
「もちろん、二人きりでいたいという乙女心もあるがの」
そう言って、ニッコリと笑う。
「他の人が教えたら、カイル殿のことだ。文句を言わずに従うだろう。だがそれで本当に良いのか?もちろん知識は大切だ。だが、知識を押しつけることで王にふさわしい人間になるのか?」
ロナルド様は両手の人差し指を交差させた。
「答えはノー、だ。確かにカイル殿は勉強も嫌いだろうが、責任感が生まれれば嫌でも取り組もうとするだろう」
最初のコメントを投稿しよう!