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私は真新しい制服に袖を通して、髪の毛を整えて、直お兄ちゃんの家に行った。
ママとパパが仕事で来れないから、直ママにお願いして、一緒に入学式に行くことになった。
私はドアの前に立って、インターホンをならした。
『どちら様ですか?』
インターホンのスピーカーから、昔と変わらないキレイな女の人の声がした。
『愛那です』
そう言うと同時に、ドアが開いた。そこには、直お兄ちゃんが立っていた。
『よっ、似合ってんじゃん制服』
『ありがとう直お兄ちゃん』『終わったら皆でどっかいここうな』
『い~の?私あんまりお金ないよ』
『入学祝いだ。俺たちの奢りだ』
『やったぁ』
『いつまでそこで話してる気?早く愛那ちゃんを入れてあげなさい』直ママが奥から出て来た。
『あっそうだな、ごめんな』
『ううん、お邪魔しまーす』
昔は、普通に何も言わずに入ってたけど、さすがに高校生だし、と思って挨拶をして、中に入った。
『昔は、何も言わずに入ってたのにな』
直お兄ちゃんが笑いながら言った。
『それだけ大人になったって事だよ』
と自慢げに言った。
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