入学式

2/10
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
私は真新しい制服に袖を通して、髪の毛を整えて、直お兄ちゃんの家に行った。 ママとパパが仕事で来れないから、直ママにお願いして、一緒に入学式に行くことになった。 私はドアの前に立って、インターホンをならした。 『どちら様ですか?』 インターホンのスピーカーから、昔と変わらないキレイな女の人の声がした。 『愛那です』 そう言うと同時に、ドアが開いた。そこには、直お兄ちゃんが立っていた。 『よっ、似合ってんじゃん制服』 『ありがとう直お兄ちゃん』『終わったら皆でどっかいここうな』 『い~の?私あんまりお金ないよ』 『入学祝いだ。俺たちの奢りだ』 『やったぁ』 『いつまでそこで話してる気?早く愛那ちゃんを入れてあげなさい』直ママが奥から出て来た。 『あっそうだな、ごめんな』 『ううん、お邪魔しまーす』 昔は、普通に何も言わずに入ってたけど、さすがに高校生だし、と思って挨拶をして、中に入った。 『昔は、何も言わずに入ってたのにな』 直お兄ちゃんが笑いながら言った。 『それだけ大人になったって事だよ』 と自慢げに言った。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!