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『最低・・・忘れるぐらいなら指輪なんかくれないでよ』
そう言って女の子は走って言った。
俺が何かしたのか?
『今の誰なんだ?』
とりあえず硫に聞いてみた。
『直、本当に分からないのか、愛那ちゃんだよ。ガキの頃俺たちと毎日つるんでた女の子だよ!!』
硫は少し興奮していた。
愛那・・・どっかで聞いた名前だ。
『直くん、愛那ちゃんが、引っ越す日に、大人になったら結婚しようって告白したんだよ』
一樹が説明してくれた。
だから、あの女は、指輪がどうのこうの言ってたのか。
『まだ思い出せないのか、俺たちのたった一人の妹だ』
颯の一言で、俺は十年前の、忘れてた記憶を思いだした。
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