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既に死は生活の一部とされていた。 預げる文書があった。 人の寿命はどんどん短くなりそのうち0に近づく。 経の文字すら灰となり 天女の羽衣で岩を撫でて 無くなる頃に弥勒様が人類救罪のために来られると。 しかし、人々は只 我欲をむさぼり 預言を是とせず もはや救いは求められなかった。 立ち上がった少女がいた。 彼女の名はニア。 大体の親は子を産み その場でこと尽きるこの時代、 彼女もまた 自分で自分の名をつけたもののひとり。 いつの時もひとりで生きてきて、もうすぐ19歳。 今の世では高齢だ。
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