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その夜、ニアは夢を見た。 夢の中でニアは、はっとした。 マナに初めて会った日に見た夢。 続きを思い出せなくて、あれからずっと気になっていたニアは、夢の中で「これは夢だ」、と認識していた。 夢に身を起きながら、ニアは記憶を辿っていた―――。 ――途方も無く続く暗闇の中を歩き続けている。 ――ふと足を止めてあたしは言う。 『――眠るという事は死ぬ事と大差ない。 生とは輝く事かもしれない。 それでも、光が闇を求めている。――』 そうだった。全く同じだ。 この続きは… この続きは… ニアの目に映るのは光だった。 その中に浮き出るシルエット。 逆光の中から現われたのは赤髪の少年だった。 ニアは夢の中でデジャヴを感じた。 ――あたし、この人に会った事がある。 でも、思い出せない。 この少年は、 この少年の名前は――… 少年はニアを見て微笑み、静かに口を開いた。 『――しかし、闇は光を求めない。 闇に相対した者が光を求めるんだ。ニア。』 「マナ!――」 ニアは叫び起きたと同時に夢から覚めた。 ベッドの下でニーナが転がっている。 ニーナの姿が滲んで ニアの頬を涙がつたった。
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