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ひとっ気が無い。 というよりもそこにはニアと男の子しかいない。 驚いたのはニアだった。 ニアにとってそこが普段はまったく足を踏み入れることのない場所だったから、 というだけが理由では無い。 ニアはここ数時間、あるき続けて足が棒のようになっている。 次第に風景が薄暗く、薄汚いものに変わっていき、目的地に続く道ではないのかも知れない、ということはニア自身も薄々感づいてはいたのだが、 何故か振り返るという事をしたくない自分の存在に気付く。 「――愚にもつかない事を」 などと、もう一人の自分をなじりはすれど、歩を進め続ける事を止めはしない。 挙句たどり着いたのがこの場所。 工事が途中なのか、配管やら電気ケーブルが埃を被ったまま剥き出しになっている。 そんな所に赤髪の男の子が独り、立っていたのだから驚いた。 ニアに気付いて男の子は「やあ。」と言うと黙って上の方を見上げた。 その時、不思議だがこの薄暗い中、男の子の体が、ぽうっ、と微かに光りを放ったような気がした。
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