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『眠るという事は死ぬ事と大差ない。生とは輝く事かもしれない。それでも、光が闇を求めている。――』 そんな夢を見て、涙をこぼしながらニアは目を覚ました。 ぼやけた頭でその後に続く言葉を考える。が、思い出す事は出来なかった。 ともあれ、今日はニーナと、あの不思議な場所に行く約束があるのだ。思い出して、突然起き上がると、布団の上で寝ていたニーナは足下で転がった。 ほんとにまた会えるのだろうか。 少し自信ない。 だいぶ、ない。 不安もあったがニアは歩き出す。猫一匹を連れて。 「ところでニーナ。どっちに行けばいい?」 ふらふら迷いながらたどり着いた場所。 そこから、別の道をふらふら戻ってきた。 行きも帰りも違う道。 散歩慣れしていないニアが覚えているわけもない。 「とりあえずこっち行ってみようか。」 これでは昨日と全く一緒。 気づいた頃にはどこから歩いて来たのかもわからなくなっていた。 「ヤバい、泣きそう…」 ニーナはそんなニアを見上げて、ニャア、と鳴いた。 「こら。あたしはアンタのご主人様なんだからね。助けてよ。」 ニアが半泣きになりながらそういうと、ニーナはまた、ニャア、と鳴いて歩き出した。 「え、ちょっと待ってよ。おいてかないで~」 ニーナにてくてくついていくと僅か五分程で例の場所についてしまった。 「ニーナ、わかってるんだったら最初から言ってよ」 「ニャア」 「猫だもんね」 「ニャア」 そう猫。それでもニアより生きている。
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