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九十九年目まで待ったときに不安を覚えはじめた。あと一年待って彼女が来なかったらどうなるのだろう。
徒労を嘆いて首でも吊るのか。
いや、もし彼女が戻って来たとしても、その後の生活には何が待っているというのだ。
待つことを終わらせることが怖くてならなくなったのは九十九年と十月を数えた頃だった。百年の慣性はそれほどまでに大きく、百年まであと十日を残したその日、半ば何も考えずにふと、立ち上がってしまった。
膝の骨が軋むような音を立てた。嘲笑にもとれた。
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