壱 ゆりかけ

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形容しようのない真っ黒い恐怖が風船のように急速に膨張した。呼吸が苦しくなるのと同時に悪寒といやな汗が背中に張り付いた。そして、口元に轡があるのに気づいたと同時に、声帯が張り裂けるほどの声が出た。筋肉が力の限りに拘束を解こうとした。 すぐに白衣の数名が入ってきて暴力的に抑えつけられた。腕に何か痛覚を覚えてすぐにそれが何かの針だと気がついた。
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