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「……おはよ」
ドアを開けて、僕が教室に入ると、そこには、いつも通りの光景があった。
「お。真白じゃん」
高校生になって、蘇芳の次に仲良くなった奴等が、僕に気が付いて寄ってくる。
「……おはよ……」
僕が、くたびれたような挨拶をすれば、彼等は「またか」と笑い出した。
「ハハッ。まだ朝だぜ? 何、もう疲れてんだよ」
「まあ、どーせまた、蘇芳にでも、何かやられたんだろ」
彼等の魂の色は、赤がベース。
"類は友を呼ぶ"とは、まさにこの事だろう。
教室を見渡せば、今あるグループが、それぞれ似たような色同士で固まっているのだ。
「……むぅ。だって、朝からタックルされたんだよ!? 拓斗(タクト)も1度受けてみなよ」
そう言って、彼等の中で1番背の高い、拓斗を睨み付ける。
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