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今の状況を、ご説明しましょう。
僕が名前を呼ばれ、振り返ると、そこには走ってくる友人、不知火 蘇芳(シラヌイ スオウ)がいた。
そして、蘇芳は走ってきた勢いをそのままに、僕にハグという名の、タックルをかましやがったのだ。
勿論、僕はその場に倒れ込み、蘇芳の下敷きとなった。
「……う。……そう、思うんだったら、僕の上からどいてよ」
すかさず、サッと、蘇芳が僕の上から飛び退いた。
そして、僕の腕を引き、僕を立ち上がらせる。
僕は、制服に付いた埃をはらいながら、蘇芳を見上げた。
蘇芳は僕より、一回り大きい。
魂の色は、奇麗な紅。
何の混じり気のない、炎の色。
だから、性格も、炎みたいに熱血なのだ。
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