-出会いは突然に-

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とりあえず猫語、犬語、人語の3語で声をかけてみるか。 「にゃーお、わんわん、もしもーし誰かいますかあ?」 端からみたら不審者にしか見えないが、この際仕方ない。 さあ、段ボールの中身のお化けはなんと答えるか。そもそも喋れんのか? ふと頭に浮かんだ疑問は、次の瞬間すぐに頭からフェードアウトした。 「……僕……いる」 ん、空耳か? だけど確かに今声が聞こえたような……。 もう1度声掛けてみるか。 「も、もしもーし……」 「い、息が、く、苦しい……あ、開けて……?」 「いやああああああああっ!」 こ、この段ボールの中に確実に何かいるっ! 得体のしれない何かが。 だけど可愛い声してた! ……関係ないか。 「……ねえ……は、早く……」 「イ、イヤァァァ!」 突然向こうから声を掛けられ、体が飛び上がるほど驚いた。 てか、自分から出れないなら最初から入るなよ。相当マヌケなんだな、この中に入ってるやつは。
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