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~時空管理局本局・三番ドッグ~
本局に来るのは何年ぶりだろうか…下手をすればもう来ない所だったな
そんな事を思いながらお目当ての戦艦を探すが…
「…一体どれだ?」
無理もない…どんな艦かも知らない上、初めてドッグに来たのだから…
探す事20分
それらしき艦が今だ見当たらない…
「くそ、二番か?…ちょうどいい、あの整備員に聞くか」
仕方なく近くにいた整備員に聞いてみる事にした
「すまない、『アースラ』って艦はどれだ?」
「ぁあ?何だお前さん、見ない顔じゃな」
いきなり話をそらされた…オレは話をそらされるのが大嫌いだ…
そんな気持ちを押さえながら話を続ける
「オレは時空管理局地上本部空戦武装隊『ウィングペイル』所属、アジル・シュナイザー一等空尉だ…」
自分のIDカードを見せながら言い
「ん~…おぉ、あの『ブラック・ブレイズ』か!噂にゃ聞いとるよ。あのスカリエッティ事件の時、一人で『ドローン』を40機破壊したんじゃと?たいしたもんじゃわい」
整備員の爺さんはオレの肩を痛い程叩きにきた…
「痛いって…で?『アースラ』はどれなんだ?」
叩かれながらもオレは話を戻してきた
「お~、忘れとったわぃ…これが『アースラ』じゃよ」
と、手に持っていたトランクを見せてきた
まさか…これが艦じゃないよな…
そう思いながらトランクを眺めた
「なんじゃ?その顔は…残念じゃが昨日ちょうど『アースラ』の解体作業が終わっての~、じゃがあの隊長殿は『この艦の思い出は残しておきたい』と言っておったからメモリーだけ保管しとるんじゃよ」
なるほど…そういう事か
まてよ?じゃあ、オレの配属場所は何処になるんだ?
顎に手を当てながら整備員に背を向け考えていたその時
むこうから局員の一人がこちらに走って来て思ってもみなかった言葉を言った
「アカハシ『少将』探しましたよ~」
その局員は整備員に話しかけたらしい
…少将?
………え?
マジか?
この整備員の爺さんがか?
そんな事を考えていると局員と少将は話を進めている
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