2485人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は、男に尽くした。
朝起きると、焼きたてのトーストに熱々のコーヒー。
掃除、洗濯も毎日こなした。
男が仕事から帰ると、いつも、口にした事の無い様なご馳走を用意した。
時には夜の相手も…
そんな生活が続き半年。
『なぁ今度、デートに行かないか?
それから、お前に名前をつけよう。
そうだな…真梨…
うん!真梨がいい!』
男はいつしか、彼女に惹かれていた。
無理もない、世間の女の様に、愚痴など一切こぼさない。家事も完璧にこなす。
男にとって、まさに理想の女性だった。
それからと言うもの、男と真梨は、毎日、楽しく暮らした。
休日になるとデートに出かけ、写真もたくさん撮った。
夢の様な日々を送った。
彼女がロボットと言う事など、いつしか忘れてしまうほどに…
幸せな生活はあっと言う間に過ぎていった。
『明日は、俺の誕生日だな。
…いや、真梨がここに来て、丁度一年にもなる。
そうだ!
二人でパーティーをしよう!
これからも、ずっと一緒に居てくれ。
真梨が大好きなんだ。』
男は真梨に心底惚れていた。
こうして、その夜二人は、幸せの中、眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!