2485人が本棚に入れています
本棚に追加
『おはよう。真梨。』
男は、いつもより早く目が覚めた。
『今日は、二人の誕生日だ。
どこか、特別な所へ出かけよう。』
『………』
返事は無かった。
『真梨?どうしたんだ?
具合でも悪いのか?』
答えは返って来ない。
『真梨?…真梨!』
男は何度も彼女の名前を呼んだ。
だが、彼女はベッドに横になったまま、動かない。
『なんと言う事だ。
真梨が故障してしまった。
あぁ…真梨…頼む…
動いてくれ…
お前のトーストが食べたいんだ…
真梨…真梨……』
男は彼女の体を強く抱きしめ、涙が枯れる程に泣いた。
しかし、二度と真梨が動く事は無かった…
最初のコメントを投稿しよう!