精巧すぎるロボット

4/6
前へ
/56ページ
次へ
『おはよう。真梨。』   男は、いつもより早く目が覚めた。   『今日は、二人の誕生日だ。 どこか、特別な所へ出かけよう。』   『………』   返事は無かった。   『真梨?どうしたんだ? 具合でも悪いのか?』   答えは返って来ない。   『真梨?…真梨!』   男は何度も彼女の名前を呼んだ。 だが、彼女はベッドに横になったまま、動かない。   『なんと言う事だ。 真梨が故障してしまった。 あぁ…真梨…頼む… 動いてくれ… お前のトーストが食べたいんだ… 真梨…真梨……』   男は彼女の体を強く抱きしめ、涙が枯れる程に泣いた。   しかし、二度と真梨が動く事は無かった…
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2485人が本棚に入れています
本棚に追加