マヌケな泥棒

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数分後……   『そろそろ大丈夫か?』   泥棒は力いっぱい扉を押す。 しかし、びくともしない。 泥棒はハッとした。 この金庫は内側に扉が開く事を忘れていたのだ。   『しまった! これでは出られない! …閉じ込められてしまった……』   泥棒は愕然とした。 大声で叫んでもみたが、当然聞こえるはずもない。   『なんてバカな事をしたんだ… 泥棒なんかして、バチがあたったに違いない… ……明日、ここの社員が、俺を見つけるだろう… 警察には捕まるが、命には代えられない…』   泥棒は、後悔と寂しさでいっぱいだった。 暗闇の中、ぽろぽろと涙がこぼれた。 そして、もしここを出たら、まっとうな人生を歩もうと決心した。
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