94人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
幼少の頃の話と言うものはあまり覚えていないものである
あとから自分が成長し大きくなった時に思い出話として親から聞かされる事が多々あると思う
小さい頃に、両親を亡くした俺は自分がどんながきんちょだったのか知らない
しかし、あの日の事だけは今でも脳裏に焼き付いている…
真人「ねぇ、パパ、おはなしってなあに?」
食卓テーブルを挟み父(和義)と向かい合う
そしてエプロンで手を拭きながら母が台所から出てきて父の隣に座る
和義「あのなぁ、真人、パパとママな、ちょっと旅に出るつもりなんだ」
真人「たびぃ…?」
和義「う~ん、冒険、そう冒険!冒険に出るんだ」
何故かその時の俺は冒険と言う言葉にミステリアスで未知の世界が溢れているような気がして堪らなかった
真人「パパ!ボクもぼうけんしたい!」
バンっと椅子から立ちその場でジャンプをする
すりと不意に母が俺を抱きしめたんだ
しおり「…うっ、まことぉ…」
真人「どうしたのママ?泣いてるの?」
真人は母の頭に手を置き優しく撫でる
しおり「まことぉ…まことぉ…」
そう言ってただただ俺を強く抱き締めていた
最初のコメントを投稿しよう!