濡れ枕

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      言葉を使い過ぎた         渇いた爪に 炭酸が染みている       さっきの未来は 全部無かった事にしよう       がらんどうの 膝から上に 音楽が旋回すると     取り込んだ硝子は 空腹に舌を打ち   冷たい古草の水辺に ゆっくりと転がっていく           縛り上げた肩から垂れた 鈍色の愛は   閉め忘れた引き出しの角を 思い出したかのように     じゅくじゅくと 蝕し始めていた               荒く縫い付けられた 月の影が解け   廻りだした祭壇の中心が 気泡に乗せた幾多の生命を撒き散らすと       ゆったりと流れるビロードの空は     隙間から隈無く     丁寧に、埋め尽くされていって。                                   がらん、と鳴る かすめた平和の下、       僕らは許される夢を見ながら           それ以上の眠りを         もう 醒まさない事にしたんだ。              
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