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デルタの歩みが止まった。
デルタ 「フォース、遠くの地面をよく見てごらん。」
フォースは言われた通りに遠くの地面を見据えた。
フォース 「何も無いですよ?」
デルタ 「よく見るんだ。それこそ、砂の中を見透かすように。」
さらに目を凝らし、砂の表面を注視する。
フォース 「あっ…」
デルタ 「見付けたみたいだな。
そう、あの砂に馴染みきった色をして砂の中だか上だかを移動してるのが、ゴブド。要はデっカいミミズだ。」
フォース 「…う~ん、動いてるって事しか判らないんですけど……」
デルタ 「初めてなら上出来だ。
俺はあいつらにちょっと用がある。フォースはアレスタン戦に備えて戦わないようにしとけ。」
デルタは大剣の柄に手を当てながら何かがうごめく方向へ走って行った。
フォース 「行っちゃった。
…僕は何してよう?」
遠ざかっていくデルタを見ながら考える。
フォース 「そうだ!デルタさんの戦い方を見てよう!
きっと参考になるはずだ。」
フォースはデルタをチラチラ見ながら、より見えやすい場所を探して歩いた。
と、デルタが何か丸い物を投げた。空中で、音も無く弾ける。
突然、デルタの近くでゴブドが飛び上がった!5、6匹はいる。
その全てが、砂を身体中にくっ付けたような色と模様をしている。もしかしたら、本当に砂がくっ付いているのかも知れない。
確かにそれはミミズだが、頭だと思われる方向に三ツ又の突起物がある。
長さは2m程だろうか。
フォースは、急いでよく見えそうな場所を探した。
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