救命救急

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救命救急

救急車… できれば乗りたくない乗り物です… 患者でも… 付き添いでも… しかし一刻を争う状況では、そんな事は言ってられません… 救急車は、例え自宅の近くに救急病院があったとしても、病院からの受け入れの了解がなければ、遠くの病院に搬送されてしまうこともあります… 朝 9時頃に病院から連絡があり、私とゲジで遺体搬送に向かいました… 自宅は、うちの葬儀社に近いのですが、脳梗塞で倒れて救急車で病院に運ばれたのだそうです… その病院は、少し離れていたため私は行った事あるのですが、ゲジは初めての病院でした… 病院に到着して救命救急室へ… 遺体をストレッチャーに載せ、救命室を出ようとしたら、看護師から呼び止められました… 私が看護師と話をしていると、ゲジは遺族と遺体を連れて部屋の外へ… 話が終わり、部屋の外へ出るとゲジはいません… 私は、ゲジが先にみんなを連れて霊安室に行っているのかと思い、霊安室に行きましたが誰もいません… 救命室をでて、右に行くと霊安室… 左に行くと、レントゲン室やMRI室などがあり、そのまま行くと正面玄関にある受付に出ます… まさか… 私は慌てて、戻ると… 朝の10時、たくさんの人でごった返している正面玄関待合室のほうから、遺族を引き連れ、ストレッチャーに載せた遺体を押してゲジが歩いてきました… そこにいた人々はざわめき、誰もゲジの行く手を阻む者はいませんでした… その時私は初めて、人々でごった返していた場所に神の道ができた瞬間を目の当たりにしました… ゲジ… お前って奴は… その日のうちに病院から苦情の電話がきた事は言うまでもありません… ゲジの武勇伝でした…
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