恐怖の棺

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私は棺造りの担当はゲジだったので、ゲジが適当に棺を造ったのかと思ったのですが… 私が事務所に帰ってきて、話を聞くと… ある葬家さんのところで、旅支度、納棺が終わり 奥さんが棺の小窓を開けたら… ひぃいぃ~ いきなり、故人の奥さんがビックリして腰を抜かしました… 担当の同僚が確認したところ… 笑っている うちの社長の顔写真が貼ってありました… 私は… 『ヤバイ…』 『それ貼ったの俺だ…』 組み立て担当はゲジだったので、私は半年位前にゲジを驚かす為に、作業台にしていた棺の小窓に社長の顔写真を拡大カラーコピーして貼り付けていたのでした… 私は、そんな事すっかり忘れていました… そう… ゲジは造るのが間に合わなくなって、作業台にしていた棺を持って行ってしまったのです… 今さら、私のイタズラだとは言えず、ゲジには生け贄になってもらいましたが… ゲジ… 葬家さんへ納品する時は、細部まで確認するのが会社の決まり事だろ… 俺のイタズラに気付いてくれよ… 後日 ゲジには肉の万世でたらふくご馳走しました… ゲジは、なんでご馳走してくれてるのか不思議がっていましたが、喜んで食べていました… ゲジ…ごめんな… そして葬家さん… 棺の小窓を開けて、知らないオヤジが笑ってたらビックリしますよね… ごめんなさい… 宜保イリュージョンでした…
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