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斎場案内
地方の火葬場は、ゆっくり火葬するので収骨まで2時間くらいかかります。
しかし東京近郊の火葬場はだいたい1時間…
利用者が多いので 早く収骨する為に火力も強く、かき混ぜたりもすると聞いています…
だから地方では、人の形のまま骨で出てきますが、こちらでは人の形では出てきません…
葬儀屋は火葬場まで同行して斎場案内をするのですが、火葬している間は、業者控え室で待機します。
うちの葬儀社は事務員も斎場案内をします…
私と事務員の純子ちゃんが斎場案内をしたとき…
収骨の連絡が入ったので、純子ちゃんは 葬家さんが休んでいる部屋に行き収骨の案内をしました…
『収骨の お時間がきましたので、先程のお釜の前まで お集まり下さい』
純子ちゃんは先にお釜の前まで先導し、私はエレベーターの前で、葬家さんを見送って、一番最後に収骨場に行くのですが…
あれっ…
お坊さんが違う人のような…
取り敢えず全員見送り、忘れ物がないか休憩所に確認しに行くと…
葬家さんが まだ休憩所でくつろいでいました…
そう…
純子ちゃんは間違って、火葬場にきて10分しか経っていない、隣の部屋の葬家さんを、お釜の前に連れて行ってしまったのです…
純子ちゃん…
10分じゃ 強火で焼いても 半生だろうに…
犬 猫だって 10分じゃ焼けないよ…
私は直ぐに お釜の前に向かうと 途中で先程の葬家さんが戻ってきました…
みなさん口々に『早いと思ったのよ』とか『やっぱりな』とか言ってましたが…
純子ちゃんと私で双方の葬家さんに、丁重に謝って許してもらいましたが…
純子ちゃん…
最低でも 喪主の顔くらい覚えておいてね…
このあと火葬場の事務長に二人で怒られたとゆうことは言うまでもありません…
この日から純子ちゃんはゲジネネと呼ばれるようになりました…
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