Camellia

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そんな唯から思わず姫は目をそむけた。 「そんな迷いごとをいって……わ、私が桜なら……あれだ、あれ! 唯は椿だ」 耳まで朱に染めて、思わず扇で顔を隠して、口から出任せにしゃべった。 「私が椿ですか?」 「そ、そうだ」 自分で何を言ったのか、半分分からないまま、適当な返事をする。 だが、それは本心だった。
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