Camellia

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雪の中、赤く咲く椿。 とても美しく、儚い。 そこがとても唯と似ていると兼ねてから思っていた。 「そうですね……。そうなのかも知れませんね。前触れもなく落ちてしまう……」 寂しそうに笑う唯に、姫ははたと顔を向けた。 「そんな意味で言ったのではない」 そう否定してみても、唯は笑うばかり。 「貴女も私も陰陽師の筋の者。直感的に本質を見抜いていて、おかしくはないのです」 そんなことを言われると、口を挟むなと言われているに等しい。
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