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「申し訳ございませんが、丁重にお断り申し上げます」
唯と呼ばれた青年は即座にそう答えた。
「相も変わらず、お前という男は面白みの欠片もないな」
「だからいつも言っているだろ。こいつと遊んでいる時間があるなら稽古に費やせと」
姫が答え終わると同時に、夜鳴が間髪入れずに厳しい声で言った。
夜鳴はそう言いながら姫の隣に座ると、姫が手にしていた水鏡を奪い取った。
その小さな手には大きすぎて、支える事ができず、落としかけて姫にまた奪われた。
「夜鳴には重すぎるでしょう。姫、今度は彼女たちにも扱える鏡を作ってはどうですか」
水鏡の中から唯にそう声をかけられ、夜鳴は憤慨した。
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