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夜鳴は本当は唯が嫌いではない。
嫌いではないのに、姉妹である朝鳴が唯の元に行ってしまい寂しいから、八つ当たりしているのだと姫は知っていた。
知っていてもそれを唯に伝えるつもりはない。
冗談交じりに告白してみても、唯にはのらりくらりと交わされると分かっていてもなお、そのようにしか気持ちを伝えることができない。
まじめに言って、拒否されたら……
この男のことだから、否定なんてしない。断るなら、やんわりと傷つかないようにすぐには分からないように断るだろう。
拒否や問答無道の断りなどより、そちらの方が姫にとっては怖い。
怖いからまじめになんて伝えない。
伝えないから……今のままでいられるのだろうなぁと思っていた。
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