Camellia

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「私はね、姫も夜鳴も朝鳴も大好きなんです。私の世界には3人しかいませんから」 急に唯がそんなことを言い出した。 「あなたは桜のような人です。美しく、潔い」 「突然どうしたのだ?」 「いえ、ふとそう思ったのです。あなたは桜のようにさっと咲いて、散る時も未練などまったく見せず、最後ですら美しい……」 しみじみと物悲しそうに、愛しいものを見るように姫の顔を見つめる。
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