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カッタルイなぁ…
ボトルの水を飲み干し俺のテンションさらにダウン。
「ぬるっまっずっ」
即座にボトルを投げ捨て、旧式の手動開閉で所々うっすら鈍色に変色した汚い扉を眺める。
あ~やだやだっ
いたいけなヒツジがオオカミの群に飛び込む心境ってやつだっけ?
ヒツジもオオカミも、実物見たこと無いけどなっ
はぁ、もぅ帰りてぇ…。
いやっそんなことしたら
ヤバイことになるんで
帰らないけどなっ。
リストウォッチをチラ見すると予定時間五分前。
午前九時五十五分。
十分前集合が暗黙の了解つ~
ことになってるから、
俺が最後の出席者だろう。
遅刻扱いは…
されないよな…?
アイツにギャーギャー騒がれないためにわざと時間を遅らせたけど…
俺を見つけ次第、アイツは噛み付いてくるだろうなぁ…。
面倒くせぇ奴だからなぁ…。
「あぁ~めんどくせ~」
溜め息を吐き出し、俺は扉を手前に引いた。
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