餃子の雨

9/14
前へ
/262ページ
次へ
「助かりますっ!」 「なん、こんなもんでよければ任せて下さい!」  深々と山下総隊長は三人に向かってお礼を申し上げる。  鼻の頭を掻きながら正田は余裕の態度をとる。 「それでは僕等は仮眠させて頂きます。」  名家の出身で涼しげな顔立ちの須賀がクールに言う。  特殊能力者は放出した調味料の量に比例して眠気に襲われる。  一日に放出できる調味料は、マスタークラスで1リットルくらいだ。 「これで隊員達の食欲が上がります。」  山下総隊長は安堵の表情を浮かべた。  ところがその思惑とは違い、食いしん坊達の不満があがった。
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加