餃子の雨

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「ただ今回は少し思考を変えて塩と胡椒で食べてみて下さい。」  荒れる食いしん坊達を諭すように柔らかな口調で話す。 「興味のある方は俺の周りに集まって下さい。 いきますよ!《ソルト・ウェーブ》《ペッパー・ウェーブ》!!」  少し高い位置から潮瀬の両薬指から塩と胡椒が波の形をして噴き出した。  波状の塩と胡椒が集まった食いしん坊達の餃子に降り懸かる。  警戒しながら数名の食いしん坊達が塩と胡椒で味付けされた餃子を食べる。 「うん、これはこれで旨いな」 「肉の味が引き立つわい」 「まぁ合格点の範囲だな」  好評な感想が飛び交った。急策な割には成功と呼べる結果を出す事ができた潮瀬は、今頃になって額に汗をかく。
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