君の隣

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「おっはよー」 拓人は道を歩いてる少年とも青年とも言えない青少年にぽんっと肩を叩き挨拶をした。 「おはよう」 笑って返してきたのは、友人の創。拓人が…中学一年の頃から片想いをしている相手でもあった。 「今日から新しい学校だな」 創が着慣れない制服に苦笑いする。 「ああ、楽しみだ♪」 拓人は、そんな創を見て幸せを感じていた。 (かっこいい…) 創の、中学の頃の学ランとは違って大人っぽく見えるブレザーに見惚れた。 「拓人?」 「な、なに?」 「ぼーっとしてたけど」 「き、昨日寝たの遅かったから」 「そっか…」 (あっぶねー…見惚れてました、なんて言えるわけないだろっ) うるさい心臓の音を必死に抑えようとしたが… 「俺、お前と高校も一緒で嬉しいよ」 「えっ?!」 創のいきなりの言葉に抑えようとしていた心臓の音が余計にうるさくなる。 だけど… 「友達で一番仲良いのお前だから」 笑顔でそう言われて、拓人の胸はズキンと痛んだ。 「お…」 「お?」 「俺だってそうだよ!」 嘘をついた顔を見られないよう足早になって創の前を歩いた。 「よかった」 拓人は創の顔を見ないまま思った。 (きっと、お前は笑ってるんだろうな…) 拓人は知らなかった。 この時、創は何かを残念がる子供のような表情を浮かべていたことに――――
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