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二人は学校に着くと、入学式の前にクラス表を見に行った。
「―あ」
「あった!」
創が「あった」と言おうとした時、隣の拓人が大きな声で言った。
「拓人…」
苦笑いして肩を落とす。
周りの視線を集めてしまった二人。
「…俺、やっちゃった;?」
「ああ」
う~って顔をしている拓人に創は頷いた。
その後、落ち着いてからボソリと拓人が言った。
「だってさ、おんなじクラスだったんだよ…」
顔を微かに赤くしている拓人を抱き締めたい衝動を抑えた。
(気付かれちゃいけない――拓人のそばにいる為には)
創は笑顔を作った。
「また、よろしくな」
「俺も!よろしくな」
笑顔で笑う拓人に、少しながらの苛立ちを感じてしまっていた―。
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