君の隣

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様々な生徒が自己紹介をしていくうちに、創の番となった。 「鷹倉 創」 「はい」 呼ばれて席を立つと、穏やかな笑顔を皆に向けた。 少し、皆がざわついたのが拓人の気に障った。 「鷹倉 創です。これから楽しく過ごしていきたいと思ってます。よろしくお願いします。」 ペコリと頭を下げると創は何事もなかったように座った。 (なんだよ、相変わらず度胸だけはあるよな) 穏やかなのに堂々としていた挨拶に、羨むように創を見た。 拓人は、創とバチッと目があってフイッと顔をそらしてしまった。 (俺の馬鹿っ!なにやってんだよ!……ん?) すると、他の生徒達の自己紹介途中に近くの席から話声が聞こえた。 「鷹倉くんだっけ?かっこよくない??」 「うん、かっこいいよね~」 女子の話声だった。 どうやら、話のネタは創のことだ。 「彼女いるのかな?」 「あとで聞いてみる?」 「そうしよう♪」 (なっ…) 「創に近寄るな」っと言いたい気持ちをぐっと堪えた。 (俺には、言う権利ないもんな…) 溜め息をついた。 全員の自己紹介が終わりプリントが色々と配られると、すぐに終わりとなった。 皆が帰っていくなか、拓人は創のところに行こうとした― 「はじ…」「「鷹倉くん!」」 拓人より先に創のもとに女の子二人が近付いた。先程、自己紹介中に話をしていた女の子二人だ。 「なに?」 それに創は笑顔で返すとそれだけで彼女達のテンションは益々上がり、創に質問攻めをした。 一人残った拓人は、胸の痛みに耐えられず教室を出た。 教室を出た拓人に気付いた創は、彼女達に「もう帰らなきゃ、ごめんね」そう謝ると、急いで拓人の後を追った。
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