君の隣

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入学式から二週間がたった。慣れない授業とかには大変だが、人間関係が落ち着いてきた頃だった。 「おはよう」 「おはよ」 創が、拓人の肩をぽんっと叩いた。いつもの元気な笑顔がない。 拓人の様子が入学式の日からおかしくなっていく。 学校での拓人は、休み時間のたびにクラスメイトとバスケやらサッカーをしに行っている。もちろん、その中には創もいた。 普通に会話だってしている。 なのに、なぜだろう…創は、二人っきりの時の拓人の様子がいつもと違うのが気にかかっていた。 学校に着いて二人が下駄箱を開けると、創の下駄箱からヒラリと一枚の封筒が落ちてきた。 その瞬間、拓人の胸がドキンと強ばった。 「ま、また?」 (また震え‥る) 拓人は、こうゆう時になると声が震えるようになっていた。 「あ~…うん」 少しながら気まずそうに創は頷いた。 入学してから二週間。創は、何度も女の子から呼び出しや手紙で告白されている。 だが、創はどれも断っていた。 拓人には、その理由がわからない。だけど、小耳にはさんだ事があった。 創には好きな人がいると…
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