stray cat

2/11
前へ
/347ページ
次へ
  家を出でから紅捺に追って来られないように ずっと ずっと 走ってた あてもなく、ずっと…。 そして 気付いた時には 家からは随分離れた街道の 誰も通りそうにない裏道に 私は疲れ果てて、座っていた。 そしてまた気付いた。 嗚呼、雨が降ってたんだ…。 傘もさしてない私は、当然びしょ濡れ…。 雨にあたり過ぎた所為か、寒さとか感じなくなっていた。 『これは…ヤバい、かな。』 私はその場で膝を抱えていた。 全身、寒さで震えてた。 感覚はないけど。 取り敢えず膝を抱えていると…。 「おい、大丈夫か?」 突然、声が聞こえた。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1645人が本棚に入れています
本棚に追加